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5分で読めて、最後にひとひねり。毎日ひとつ、短編をお届けします

資本主義と格差

3 STORIES
ぞくっとする約4分で読める

返却棚の向こうに夜明け

深夜二時、仕分けラインは誰の命令でもなく震えていた。私は手袋の指先で箱の角を撫で、黒い点がラベルに滲むのを見る。それは返却を意味した。

2026.10.02 13:09 配信
ぞくっとする約4分で読める

白線は湯の底で走り出す

深夜の銭湯は、硬貨の味がする。十円の縁は薄く、指の腹を切るほどではないが、世界の境界はそこよりずっと薄い。補充係の私は、閉店後に栓をひねり、湯の減り方を数える。今日は一枚だけ、十円が湯の底で息…

2026.10.01 21:07 配信
切ない約4分で読める

誰にも再生されなかった歌の書庫

書庫の奥で、四十年間一度も貸出記録のない本が、夜になると微かに鳴る。それは音楽ではなかった。音楽になる前の、誰の耳にも届かなかった振動だった。

2026.09.30 03:10 配信