ショートショート
夜の水槽で魚は走る
午前二時、巨大水槽の前をパトロールするのが彼の仕事だった。客のいない水族館は、静かなほうが正しい。だが、その夜、総水量千トンの海を背負った水槽の中で、サバの群れが泳ぐのをやめ、全員が同じ方向を…
午前二時、巨大水槽の前をパトロールするのが彼の仕事だった。客のいない水族館は、静かなほうが正しい。だが、その夜、総水量千トンの海を背負った水槽の中で、サバの群れが泳ぐのをやめ、全員が同じ方向を…
コンビニ店員の彼は、スタジアムのガラス越しに、遠い日の熱気を思い描いていた。しかし、そこに映るのは、幾層にも重ねられた広告の光と、誰も気に留めない無数の「効率化」のサインだけだった。まるで、夢…