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5分で読めて、最後にひとひねり。毎日ひとつ、短編をお届けします

温泉

2 STORIES
ふしぎ約3分で読める

白湯の底で、地球が目覚める

旅館の板前場には、深夜二時になると、白い湯気と師匠のため息が定位置に戻ってくる。彼は大根の桂剥きをしながら、源泉の温度計が毎晩零点三度ずつ、上に這っていくのを眺めていた。

2026.10.01 13:10 配信
切ない約4分で読める

湯けむりは、配当を知っていた

俺の仕事は、板前場の隅で皿を洗うことだ。仕込みの包丁の音、出汁の匂い、湯上がりの客の笑い声が壁を隔てて漏れてくる。この旅館は百二十年続いたが、三年前、大手の観光資本に買われた。看板はそのまま、…

2026.09.30 05:07 配信