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5分で読めて、最後にひとひねり。毎日ひとつ、短編をお届けします

SF・近未来

26 STORIES
少し先の未来や、テクノロジーが変えた日常を描く短編。いまのニュースの延長線上にある世界です。
SF・近未来約4分で読める

冬の潮風が育てる畑

海の家は、夏だけ生きている。シーズンが終われば、雨戸を下ろし、冷蔵庫のプラグを抜き、私はただ潮の音を聞く老人になる。今年の冬、私は裏の砂地で、一本のトマトの芽に出会った。ここは塩分を含んだ砂が…

2026.09.28 05:06 配信
SF・近未来約4分で読める

当たらない明日の書棚

未来への賭けが経済のすべてになった社会では、誰にも賭けられなかった可能性は、捨てられなかった。それらは一冊の本として、地下書庫へと送られてくる。整理係の彼は、敗者たちの背表紙に目録番号を刷る仕…

2026.09.27 23:10 配信
SF・近未来約4分で読める

標高千六百メートルの夜明け前

標高千六百メートル。この集配所に届くのは、トラックとドローンと、夜明けの前の冷たい空気だけだ。彼の仕事は、モニターに流れる荷物の行き先を見守ること。今夜だけ、全部の行き先が消えていた。

2026.09.27 13:03 配信
SF・近未来約5分で読める

灯りが海を忘れた夜に

解体の朝を前に、彼は灯台の灯を最後に点けた。無人船は衛星に従い、人の目を必要としないとされた黒い海を、きちんと通り過ぎていく。だが灯りが廻るたび、沖の航跡が一拍だけ乱れた。まるで、遠い国の夜で…

2026.09.27 11:03 配信
SF・近未来約5分で読める

最適解が描く、灰色の午後

自動売店の前に立つコンビニ店員の彼は、最新の「最適化アルゴリズム」が示す生活パターンを眺めていた。誰もが消費のレールの上を歩き、逸脱したデータは即座にシステムから排除される。空調の効きすぎたシ…

2026.09.27 03:35 配信
SF・近未来約5分で読める

無彩色の感情の最適化

「今日の感情スコア、平均値から3%低下しています。レコーディングをお願いします」AIアシスタントの声は、いつも一定のトーンで、まるで使い古された陶器のように冷たかった。俺は、空になったコンビニ…

2026.09.26 19:00 配信