SF・近未来
26 STORIES
少し先の未来や、テクノロジーが変えた日常を描く短編。いまのニュースの延長線上にある世界です。
SF・近未来約4分で読める
当たらない明日の書棚
未来への賭けが経済のすべてになった社会では、誰にも賭けられなかった可能性は、捨てられなかった。それらは一冊の本として、地下書庫へと送られてくる。整理係の彼は、敗者たちの背表紙に目録番号を刷る仕…
SF・近未来約4分で読める
標高千六百メートルの夜明け前
標高千六百メートル。この集配所に届くのは、トラックとドローンと、夜明けの前の冷たい空気だけだ。彼の仕事は、モニターに流れる荷物の行き先を見守ること。今夜だけ、全部の行き先が消えていた。
SF・近未来約5分で読める
灯りが海を忘れた夜に
解体の朝を前に、彼は灯台の灯を最後に点けた。無人船は衛星に従い、人の目を必要としないとされた黒い海を、きちんと通り過ぎていく。だが灯りが廻るたび、沖の航跡が一拍だけ乱れた。まるで、遠い国の夜で…
SF・近未来約5分で読める
最適解が描く、灰色の午後
自動売店の前に立つコンビニ店員の彼は、最新の「最適化アルゴリズム」が示す生活パターンを眺めていた。誰もが消費のレールの上を歩き、逸脱したデータは即座にシステムから排除される。空調の効きすぎたシ…
SF・近未来約5分で読める
無彩色の感情の最適化
「今日の感情スコア、平均値から3%低下しています。レコーディングをお願いします」AIアシスタントの声は、いつも一定のトーンで、まるで使い古された陶器のように冷たかった。俺は、空になったコンビニ…