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5分で読めて、最後にひとひねり。毎日ひとつ、短編をお届けします

SF・近未来

26 STORIES
少し先の未来や、テクノロジーが変えた日常を描く短編。いまのニュースの延長線上にある世界です。
SF・近未来約4分で読める

雲よりも高い仕分け場

標高千六百米の集配所では、雲が時速四十キロで流れ抜ける。夜勤の彼は熱いコーヒーを啜り、モニターを見ていた。仕分け機械が今晩も、宛先のない荷物を静かに吐き出し続けているのに気づいたのは、午前二時…

2026.10.01 23:10 配信
SF・近未来約4分で読める

消費ログが消える夜のノイズ

コンビニ店員の僕は、今日のレジ締め作業で奇妙なことに気づいた。通常ならデータとして残るはずの、消費者の「無意識の購買行動」のログが、全て欠落している。まるで、誰かがこの街の記憶から、最も安価な…

2026.10.01 21:00 配信
SF・近未来約4分で読める

誰も予報しない風が吹く

槍ヶ岳の肩に近い三千メートルの山頂に、気象観測所が一軒ある。彼女はそこで、気圧と風向きと降水量を、一日四回、紙に書き留めている。国は三年前、人間の観測員を段階的に廃止すると発表した。AIの予報…

2026.10.01 07:07 配信
SF・近未来約5分で読める

誰も蒔かなかった種の朝

朝六時、彼は水やりのホースを巻き取った。三百メートル上空の菜園は、今日も天気予報通りの霧に包まれていた。予報は昨日の段階で確定し、それ以外の天気は法律で禁止されていた。それでも彼は、予報にない…

2026.10.01 05:08 配信
SF・近未来約3分で読める

終点には誰も降りない

終着駅のホームに店を開いたのは、自動運転に席を譲らされた年のことだった。客はほとんど来ない。それでも毎夜決まった時刻、誰も乗っていない列車が静かに滑り込んでくる。それは、システムがまだ終わって…

2026.10.01 01:05 配信
SF・近未来約5分で読める

板前場で夜は静かに沸く

旧盆の連休が近づくと、板前場の金属は全部、予約画面の青い光を映した。俺は包丁を研ぎながら、画面の数字だけが宿を膨らませ、湯と米と出汁は痩せていくのを見ていた。電波は山の上で細くなり、ローミング…

2026.09.30 21:11 配信
SF・近未来約4分で読める

消費の終着点とノイズの残響

コンビニのバックヤードで、彼は電光掲示板の点滅パターンを数えていた。売れ残り商品のバーコードが、まるで敗者の残像のように、規則正しく、しかしどこか無機質なリズムを刻んでいる。今日の空は、最適化…

2026.09.30 21:00 配信
SF・近未来約3分で読める

高い畑で、種は眠らない

このビルの最上階は、 thirty階建ての屋上に耕された畑だった。就業時間は日没まで。それ以上遅くなると、夜の街が畑を見下ろす側と見上げる側の区別を失うからだ。

2026.09.30 15:11 配信
SF・近未来約4分で読める

蜜蝋とクロームの残響

裏山の養蜂場は、今日も規則正しい沈黙に包まれていた。蜂蜜の甘い匂いと、機械油が混ざったような無機質な香りが混ざり合い、空気を重くする。彼女は、その矛盾した香りに鼻を鳴らした。

2026.09.29 17:06 配信
SF・近未来約5分で読める

光のノイズが残した残像の座標

コンビニの店員である私は、今日も無機質なレジの光の下で、消費される生を眺めている。棚に並ぶ、使い捨ての幸福たち。全てが最適化され、予測可能な消費サイクルを回している。ただ、今日は何か違う。ディ…

2026.09.28 21:00 配信