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5分で読めて、最後にひとひねり。毎日ひとつ、短編をお届けします

ふしぎ

37 STORIES
理屈では割り切れない、不思議な出来事をめぐる短編。説明されないまま残る謎を楽しんでください。
ふしぎ約4分で読める

冷却水のなかで桜は咲く

午前二時、印刷工場の気温は三十四度だった。冷房はこの部屋の熱を奪うだけで、機械の熱はどこか遠くへ捨てられている。夜勤の彼は綴じ機の前に立ち、流れてくる紙の束を見ている。束はまだ温かい。刷られた…

2026.09.28 09:08 配信
ふしぎ約3分で読める

見えない荷物の数え方

仕分けラインの監視係の彼は、入荷した重量と出荷した重量を毎晩照合していた。誤差は常に同じ方向に傾いていた。行方不明になるのは、全体のおよそ十五パーセント。誰も気にしなかった。

2026.09.28 03:04 配信
ふしぎ約3分で読める

線路は夜を蹴り上げる

終電が消えた後、貨物駅は誰のために残るのかと、彼はポイントを撫でた。汗と錆の匂いの向こうで、古い得点板が無人のまま一点を足していた。届かない歓声が、闇の底で網を鳴らす。まるで夜そのものが得点を…

2026.09.28 01:05 配信
ふしぎ約4分で読める

槍は、まだ空のどこかにある

深夜二時、公開収録の休憩中に、一人のリスナーから電話が入った。やり投げの選手が投げた槍が、落下地点で発見されない、という話だった。彼は受話器を握ったまま、スタジオの窓の外を見た。

2026.09.27 21:14 配信
ふしぎ約5分で読める

無限スクロールの境界線

深夜のコンビニの蛍光灯は、いつもの無機質な白さだ。棚に並んだ同じパッケージの洗剤たち。そこに、ほんのわずかな、しかし決定的な「ずれ」を感じた。それは、システムが吐き出した、透明なノイズのようだ…

2026.09.27 21:00 配信
ふしぎ約5分で読める

最適化された余白の残響

コンビニのレジ前、私はいつものように「ポイントカードはお持ちですか?」と聞かれた。AIが最適化した接客フローの中、その問いかけは無機質な音波のように響く。商品は、まるでシステムが算出した必然の…

2026.09.26 19:00 配信
ふしぎ約5分で読める

生成された記憶の残像について

コンビニ店員の彼は、レジの画面に表示される「推奨購買履歴」の羅列を、まるで生命維持装置の警告音のように感じていた。それは、消費されるはずの人間性を、アルゴリズムが完璧に予測し尽くしている証拠だ…

2026.09.26 17:13 配信